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理事長講演
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メタルフリー歯科時代におけるインプラント本間 憲章医療法人 本間歯科 現在我が国では、インプラントと言えば、歯科医は誰しもがチタン製インプラントであると認識している。そしてチタンはア レルギーが無い、少ないとされてきた。しかし、近年、チタンもアレルギーを発症するという報告が国内でもなされ、その論文 の内容に私自身驚いたのである。やはりチタンも金属であったのだと思い知らされ、私はインプラントの分野でも大きな時代の 変化が起こる気がした。 1970年代、さまざまな材料で歯科インプラントが研究開発されていたが、ブローネマルクの偉大なる発見・厳格なプロトコー ル確率で、世界ではチタン製インプラントが主流になり、他の材料での研究が言わば停滞したと言えるかもしれない。今日金属 アレルギー特にチタンアレルギーの症例報告がなされるようになり、私は世界に目を向けてみた。するとメタルフリー(ジルコ ニア)インプラントが存在していたのである。多くはベンチャー企業であるため、大企業に成長した既存のチタン製インプラン トメーカーの陰に隠れている。更にジルコニアはその製造方法にょり強度や耐久性に各社製品にバラツキがあり、消えてゆく製 品やメーカーもあった。 その中でもスイス製メタルフリーインプラント(ジルコニア製)に、近年充分信頼できるものが存在する。EUやFDAの認可を 取得、欧米では既に30,000本も埋入実績をあげている。私も臨床応用し、既に6年が経過し、金属アレルギーの患者、又それを 危倶する患者に大変喜ばれている。 もはやマスコミ等で報道された金属アレルギーの問題は、国民にさまざまな不安を抱かせつつある。もしチタン製インプラン トを薦めた患者に、「金属アレルギーの心配はないか」と質問を受けたら、大丈夫ですとは言っていられない時代になった事は 認識してほしい。 私はチタン製インプラントを否定するのではない。そのような患者に、選択肢として、セラミック(ジルコニア)インプラン トの存在を教示・提案できるようになってほしいと感じるのである・メタルに劣らない身体にょり親和性に優れ、しかも審美的な歯科材料があり得るという視点に立って設立されたこの学会では、インプラントもメタルフ リーで可能だという発表をさせて頂く。更に、フロリダで行われた第1回国際セラミックインプラント学会で症例報告も発表さ せて頂いたが、その際得た驚きの内容・情報もあわせて報告したいと思う。 私は従来のガソリンエンジン車からハイブリッド車への改良・更には電気自動車又は水素エネルギー車への変化が時流である かのように、歯科インプラントの世界でも、大きな時代の変化が起こるような気がするのである。 人が生きている環境の変化と共に、それは金属アレルギーについて少し勉強すると、患者が次に求めるものは何かという事を 、長年の町医者生活から直感しているからに他ならない。
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シンポジウム ~ メタルフリー治療の保険導入の現状と今後の展望
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グラスファイバー補強高強度コンポジットレジンブリッジ五味 治徳日本歯科大学生命歯学部歯科補綴学第2講座 教授 歯冠用コンポジットレジンは、フィラー添加量の増大やモノマーの改良による物性の向上によって、臼歯部クラウンへの応用が可能となり、前歯部のみならず臼歯部歯冠修復材料としても優れた物性および色調再現性、簡便な技工操作によって高い臨床評価を得ている。 一方、臼歯部一本欠損のブリッジ症例に対してコンポジットレジンを応用する場合は、単体では連結部からの破折の危険性が懸念される。また金属フレームに前装するといった従来型の方法では、金属を使えない患者さんには対応できない。そのためメタルフリーブリッジの弱点である連結部に金属以外の補強材を応用するために、繊維強化材料であるグラスファイバーに注目し、ガラス繊維の最適補強量や最適径、ファイバーに含浸させるボンディング材の組成や強度、ファイバーの設置位置などの基礎的研究を経てグラスファイバー補強コンポジットレジンブリッジの臨床応用が可能となった。 さらに、MIの概念においても、最近の接着技法を駆使し、健全な歯質をできるだけ切削せずに残すといった治療法の確立も課題になる。当講座では、健全歯質の削除量を最小限にとどめ、審美性も損なわずに補綴が可能と考えられるグラスファイバー補強接着ブリッジについても検討を行ってきた。 本講演では、グラスファイバーで補強した高強度のコンポジットレジンの基礎と臨床についてお話したい。
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歯科治療における CAD/CAM システムの応用中村 昇司八重洲歯科診療所 院長 近年、歯科界における技術革新は目を見張るのもがある。中でもデジタル技術の歯科応用は、急激かつ多量で歯科医師の対応力が問われるところである。 一般的であるのは、レセプト請求におけるコンピューター(以下レセコン)の導入である。 レセコンの導入は、保険請求の誤りや作業時間の減少、さらには効率の向上を図ることに成功した。現在では、結果として多くの歯科医院で通常に使用されている。 治療の側面に目を移してみても、デジタル技術の応用は拡大の一途を示しており、中でも歯科用CAD/CAMシステムは注目の中心に存在している。欧米でその傾向は特に顕著で、デンタルショウなどでも多種多様な機種が発表され百花繚乱の様相を示している。 一般臨床家においても、その普及率は急速に拡大しているとの報告も存在する。 教育現場においても、歯科用CAD/CAMシステムは一般的な存在となっている。学生の実習プログラムに同システムが用いられており、従来のインレー修復などと同様になんら特別な存在としてではなく教えられている。 日本においても、保険診療にCAD/CAM冠が認められた。現在では、小臼歯のみの適応となっているが臼歯など他部位への適応拡大も十分考えられる。 さらには修復物・補綴物の作製にとどまらず、インプラント治療における診査診断からサージカルガイドの作製まで対応可能となってきている。 近い将来に本システムは、欧米と日本との環境が異なるため一概には言えないが遅かれ早かれ高い確率で歯科治療の中核をなすと推察できる。これは、歯科医師や歯科技工士の増減など歯科界をとりまく環境の変化も要因といえるのではなかろうか。 歯科医師や歯科技工士を含めた歯科医療従事者は、以上を十分認識し本システムへ対応しなければならない時代となりつつある。 今回は歯科用CAD/CAMシステムの現状と今後を解説し、臨床例も供覧させて頂こうと考えている。
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矯正歯科診療におけるメタルフリー治療への現状と展望常盤 肇医療法人社団真歯科常葉矯正歯科医院 院長 矯正歯科治療は、理想的かつ持続的な矯正力を歯に伝える事により歯の移動を行うため、現在のところメタル製品が物理的に最も理想的な素材であり、完全に切り離して考えることは現在の技術では不可能であると考えられます。 矯正治療におけるメタルフリー化という概念は、歴史的に全身的健康への影響というよりはむしろ矯正治療中の審美的要求に対する対応として発展してきたと言えます。特に近年、成人矯正患者の占める割合が増加するに従い、審美性の良い治療方法として、セラミックブラケットやマウスピース矯正治療等、様々な材料や治療方法が開発され急速に臨床に導入されてきています。しかし、これらの治療方法は結果的にメタルフリー化に寄与することとなり、本学会の趣旨に沿ってきたものと思います。 一方、元来自費診療が中心であった矯正歯科治療は、1982年より唇顎口蓋裂児に対する保険治療への導入が開始され、その適用範囲も徐々に増えてきました。患者の増加に伴い、金属アレルギーを有する患者への対応が問題となっています。矯正保険診療はメタル主体の治療体系であるため、対応が困難になってきているのが現状です。メタルフリーの矯正治療はコスト的観点や、保険医療材料、薬事承認等の面から保険診療への導入には障壁があり、今後柔軟な対応が求められています。 今回の講演では、矯正歯科における金属アレルギーを有する不正校合患者への対応の実際とメタルフリー化に向けての現状と問題点について、いくつかの症例を供覧しお話しさせて頂きたいと思います。
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認定歯科技工士セミナー
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本院口腔アレルギー外来における歯科技工士の取り組み内藤 明日本歯科大学附属病院歯科技工室 今回は歯科材料のパッチテスト方法と、平成22年から平成25年までの3年間に当院皮膚科外来で実施したパッチテスト結果(金属263名,レジン・セメント163名)について集計し一定の知見を得たので報告します。
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歯科材料に起因すると思われるアレルギー症例への技工製作中村 美保日本歯科大学附属病院歯科技工室 当外来に所属する歯科技工士の主な取り組みとして,医師とのパッチテスト試薬の検討・作成,接触アレルギー症状を呈した症例における治療計画の中で技工製作に関する検討などに努めている。 金属材料に起因する接触アレルギー症例への対処法については、金属材料を除去し、レジン系材料やオールセラミックスへの置換、いわゆるメタルフリー治療が挙げられる。中でもセラミック材料は化学的にも安定しており、審美的にも優れているため、メタルフリー治療においては有効な材料であると言える。一方,レジン系材料においては、歯科材料として使用頻度の高いアクリル樹脂-メチルメタクリレート(以下,MMA)で、そのMMAの残留モノマーがアレルギー反応を引き起こすという症例が報告されている。また、メタルフリー補綴物を口腔内にて接着するためのレジン系セメントにおけるアレルギー反応も注目すべき点となっている。 今回、当院にてパッチテストを行い、レジン系材料における接触アレルギー反応を特定された数件の症例において、それをふまえた治療計画に基づく様々な技工製作を紹介する。
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認定歯科衛生士セミナー
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予防メインテナンスで患者さんに伝えるべき重要なポイント鈴木 茜株式会社オーラルケア 予防システム構築サポート部 “予防メインテナンス”のため歯科医院に通う日本人がどれだけいるか、ご存知ですか? 残念ながら、答えはたったの2%。ほとんどの人は、治療を終えると歯科医院から足が離れてしまうというのが現状です。「歯医者さんは治療をするところ」「痛い思いをするからできるだけ行きたくない」という概念が、いまだに残っているのです。 「予防メインテナンス無くして、治療後の状態は維持できない」 この歯科医療従事者にとっての常識を、まだ多くの国民は知りません。だからこそ私たち歯科衛生士の役割りでも特に重要なのは、メインテナンスに通う価値を伝えること。治療後の状態を確実に維持し、生涯に渡って健康な口腔内でいられるかどうかは、私たち歯科衛生士の“伝え方”にかかっていると言っても過言ではありません。 そこで今回テーマとするのは、“予防メインテナンスで患者さんに伝えるべき重要なポイント”です。予防先進国スウェーデンでは、ペール・アクセルソン博士の研究において「適切なメインテナンスによって成人でも97.7%歯を残せる」ということが立証されています。これは、歯科衛生士が患者さんに伝えるべき情報をきちんと提供できていたからこそ達成されました。ここからつかみだした重要なポイントを盛り込み、明日からの臨床ですぐに実践いただけるような情報をお届けしたいと思います。
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一般講演
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金属修復物の組成に関する蛍光X線分析装置を用いた迅速分析
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ランチョンセミナー |
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30年が経過したセレツクシステムの最新情報
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企業による多数の展示ブースが設営され、最新の歯科医療器具や情報の展示がありました。 |
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